【1】書式概要
この雇用契約書は、ホテルでベルスタッフとして働くアルバイト従業員を採用する際に必要となる重要な書類です。ホテル経営者や人事担当者が、新しいスタッフを雇用する時に使用する正式な契約書として作成されています。
ベルスタッフは宿泊客の手荷物運搬、フロントでの接客対応、館内案内など、ホテルの顔となる重要な役割を担います。この契約書では、そうした業務内容を明確に定義し、労働条件や給与体系、勤務時間などを詳細に記載しています。特に、ホテル業界特有の早番・遅番・夜勤といったシフト制勤務や、深夜勤務手当などの待遇面についても適切に規定されており、労使双方が安心して雇用関係を築けるよう配慮されています。
改正民法に対応した最新の内容となっているため、現在の制度に沿った適切な雇用契約を結ぶことができます。Word形式で提供されているため、ホテル名や具体的な金額、勤務地などを自由に編集して、各施設の実情に合わせてカスタマイズすることが可能です。新規開業するホテルから既存の宿泊施設まで、幅広い場面でご活用いただけます。
【2】条文タイトル
第1条(採用及び就業場所) 第2条(業務内容) 第3条(契約期間) 第4条(就業時間) 第5条(時間外及び休日労働) 第6条(休日) 第7条(休暇) 第8条(賃金) 第9条(社会保険) 第10条(退職) 第11条(懲戒) 第12条(安全衛生) 第13条(機密保持) 第14条(損害賠償) 第15条(就業規則の適用)
【3】逐条解説
第1条(採用及び就業場所)
この条項では、雇用関係の基本的な枠組みを定めています。ホテル側がアルバイトとしてベルスタッフを採用し、働く人がそれに同意することで雇用契約が成立します。勤務場所も明確に特定することで、後々のトラブルを防ぎます。例えば、チェーン展開しているホテルの場合、どの店舗で働くのかを明確にしておく必要があります。
第2条(業務内容)
ベルスタッフの具体的な仕事内容を詳しく規定した重要な条項です。手荷物の運搬や管理、フロントでの接客、館内外の案内業務が主な内容となります。また、業務上必要があれば、これら以外の関連業務も行う可能性があることも記載されています。例えば、繁忙期にはレストランでの配膳補助や、イベント時の会場設営なども含まれる場合があります。
第3条(契約期間)
アルバイト雇用における契約期間を3ヶ月と定めています。期間満了の1週間前までに更新の可否を決定し、継続する場合は新たな契約を結ぶ仕組みです。これにより、双方が定期的に雇用関係を見直す機会を持てます。観光業界では季節によって忙しさが変わるため、こうした短期契約は実情に適しています。
第4条(就業時間)
ホテル業界特有のシフト制勤務について詳細に規定しています。1日8時間以内、週30時間以内という上限を設け、早番・遅番・夜勤の3つの時間帯を設定しています。月ごとのシフト表で具体的な勤務日時を決める仕組みで、学生アルバイトなどの都合にも配慮できる柔軟性があります。
第5条(時間外及び休日労働)
繁忙期や急な欠員などで通常の勤務時間を超えて働く場合の取り決めです。深夜勤務や休日出勤の可能性があることを明記し、その際は事前に本人の同意を得ることや、適切な割増賃金を支払うことを約束しています。ホテル業界では24時間営業が基本なので、こうした規定は不可欠です。
第6条(休日)
週1日以上の休日を確保することを定めています。シフト制勤務では不規則になりがちな休日を、事前のスケジュール表で明確にすることで、働く人の生活リズムを守ります。学業との両立を図る学生や、他の仕事と掛け持ちする人にとって重要な条項です。
第7条(休暇)
年次有給休暇の付与について労働基準法に基づいて定めています。また、慶弔休暇や産前産後休暇などの特別休暇についても規定し、アルバイトであっても適切な休暇制度を整備していることを示しています。これにより働きやすい環境を提供できます。
第8条(賃金)
時給制の基本給与と深夜勤務手当、通勤手当などの詳細を定めています。深夜勤務には特別手当が支給され、交通費も実費で支給されることが明記されています。給与の締め日と支払日も具体的に定めることで、安心して働ける環境を整えています。
第9条(社会保険)
雇用形態や勤務時間に応じた社会保険への加入について、関係する制度に従って適切に対応することを定めています。アルバイトでも一定の条件を満たせば社会保険に加入する必要があるため、この条項で明確にしています。
第10条(退職)
自己都合による退職の際は2週間前までに申し出ることを定めています。また、契約期間満了や死亡など、退職となる各種の場合について明確に規定しています。円滑な業務引き継ぎのためにも、適切な予告期間を設けることは重要です。
第11条(懲戒)
就業規則に違反した場合の懲戒処分について定めています。具体的な内容は就業規則に委ねることで、柔軟性を持たせながらも、適切な職場秩序の維持を図ります。接客業では特に、お客様への対応などで高い水準が求められるため、この規定は重要です。
第12条(安全衛生)
職場での安全確保と健康管理について双方の責任を定めています。特に夜勤業務に従事する場合の定期健康診断受診義務など、ホテル業界の特殊性を考慮した内容となっています。24時間営業の職場では、働く人の健康管理が特に重要です。
第13条(機密保持)
ホテル業務で知り得た顧客情報や企業の内部情報について、在職中はもちろん退職後も漏洩してはならないことを定めています。宿泊客のプライバシー情報など、センシティブな情報を扱う業界では特に重要な条項です。
第14条(損害賠償)
故意や重大な過失により会社に損害を与えた場合の賠償責任について定めています。高価な設備や備品を扱うホテル業界では、適切な注意義務を怠った場合の責任を明確にしておく必要があります。
第15条(就業規則の適用)
契約書に記載されていない事項については、会社の就業規則や諸規程に従うことを定めています。これにより、契約書だけでは網羅しきれない詳細な規定についても、適切に対応できる仕組みを整えています。
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