【1】書式概要
本テンプレートは、企業の重要プロジェクトに参加するメンバーが署名する秘密保持誓約書として、法的実効性を最大限に高めた内容となっています。2020年の改正民法に完全対応しており、企業の知的財産と機密情報を確実に保護するための重要な法的文書です。
本誓約書テンプレートの最大の特徴は、秘密保持の対象となる情報を4つのカテゴリーに明確に区分し定義している点です。「プロジェクトが遂行されている事実そのもの」「プロジェクトの目的・内容」「プロジェクト参加によって知り得た営業上・技術上の非公知情報」「企業が特に指定した秘密情報」と具体的に明記することで、情報漏洩リスクを最小化します。
また、プロジェクト終了後や参加者の退職後においても秘密保持義務が継続することを明確に規定し、長期的な情報保護体制を構築します。さらに、プロジェクト関連情報の帰属権を企業側に明確に定め、参加者が作成に関与した情報についても権利主張ができないことを誓約させる条項を含んでいます。
プロジェクト終了時や離脱時、あるいは企業からの要請があった場合の資料返却やデータ消去義務についても詳細に規定しており、情報管理の全プロセスをカバーしています。社外プロジェクトメンバーだけでなく、プロジェクトに関与しない自社従業員に対する情報開示も制限する包括的な内容となっています。
編集可能なWordファイル形式で提供されるため、プロジェクト名や会社名、日付など必要な情報を簡単に入力でき、企業固有の要件や状況に応じてカスタマイズが可能です。法務専門家の監修を経た本テンプレートは、情報漏洩トラブルを未然に防ぎ、万が一の場合の法的措置の基盤となる重要文書として、あらゆる企業のプロジェクト管理に必須のツールです。
【2】逐条解説
前文
前文では、誓約者が特定のプロジェクト(本件プロジェクト)に担当者として参加するにあたり、以下に記載される事項を厳守することを誓約する旨を宣言しています。この部分は誓約の主体と対象を明確にする役割を果たしています。
第1条(秘密保持義務)
この条項では、誓約者がプロジェクトに関して知り得た情報についての秘密保持義務を定めています。重要なのは、この義務がプロジェクト遂行中だけでなく「プロジェクト終了後においても」継続する点です。また、第三者への開示禁止について、単に社外者だけでなく「本件プロジェクトに関与しない貴社従業者」も含むと明確に定義している点が特徴です。
秘密として保持すべき情報は以下の4つのカテゴリーに分類されています:
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プロジェクトが遂行されている事実そのもの
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プロジェクトの目的・内容
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プロジェクト参加がなければ知り得なかった営業上・技術上の非公知情報
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会社が特に秘密と指定した情報
この分類は網羅的かつ具体的であり、秘密保持の対象を明確にしています。
第2条(情報の帰属と権利譲渡)
この条項では、プロジェクトに関する全ての情報が会社に帰属することを確認し、仮に誓約者がそれらの情報作成に関与していたとしても、誓約者に帰属する権利を全て会社に譲渡し、権利主張をしないことを誓約しています。これは知的財産権の帰属に関する潜在的な紛争を防止するための重要な条項です。
第3条(資料返還およびデータ消去義務)
この条項では、以下のいずれかの場合に、プロジェクトに関して預かった資料やデータを返還または消去する義務を定めています:
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プロジェクトが終了したとき
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プロジェクトから離脱したとき
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会社から請求があったとき
特に、個人のパソコンに保存されたプロジェクト関連データも対象に含めている点が現代のデジタル環境を考慮した内容となっています。
第4条(退職後の義務継続)
この条項では、誓約者が会社を退職した後においても、前各項の義務(秘密保持、権利の帰属と譲渡、資料返還・データ消去)を遵守することを誓約しています。退職後も義務が継続することを明確にすることで、長期的な情報保護を確保しています。
署名欄
最後に日付、住所、氏名を記入する欄があり、この誓約書が誰によって、いつ締結されたかを明確にする役割を果たしています。署名により、誓約者の意思表示が明確になり、法的拘束力が強化されます。
この秘密保持誓約書は、プロジェクト関連の機密情報を包括的に保護するための基本的な法的枠組みを提供しており、特にプロジェクトベースで外部人材を活用する現代の業務環境に適した内容となっています。