【1】書式概要
この「アート作品の保管・展示・販売業務委託契約書」は、改正民法に対応した最新の契約書雛型です。アーティストやコレクターが所有するアート作品を美術館やギャラリー、展示スペースなどに委託して保管・展示・販売する際に必要となる重要事項を網羅しています。
契約の目的、委託業務の内容、期間、委託料、販売手数料、所有権の帰属、再委託の禁止、秘密保持、損害賠償、解除条件など、アート業界特有の関係性に配慮した条項を含んでいます。特に第11条では現代のビジネス環境に不可欠な反社会的勢力の排除についても詳細に規定しており、安心してご利用いただけます。
契約書はワード形式でご提供しますので、実際の契約内容に合わせて簡単に編集が可能です。アート作品の取引や展示を安全に行うための法的保護を確保し、当事者間の権利義務関係を明確にしたい方におすすめします。
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〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(委託業務の内容)
第3条(委託期間)
第4条(委託料)
第5条(販売手数料)
第6条(所有権)
第7条(再委託の禁止)
第8条(秘密保持)
第9条(損害賠償)
第10条(契約の解除)
第11条(反社会的勢力の排除)
第12条(協議事項)
【2】逐条解説
第1条(目的)
この条項では、契約の目的を明確に定めています。委託者(甲)が所有または管理するアート作品について、受託者(乙)が甲に代わって保管・展示・販売およびそれに関連する業務を行うことを契約の目的として明示しています。この明確な目的設定により、契約の範囲と方向性が定まります。
第2条(委託業務の内容)
具体的な業務内容と業務遂行上の基本的な注意義務を規定しています。第1項では、指定された場所での保管、展示、販売およびそれに付随する業務を行うことを定め、第2項では「善良なる管理者の注意」という民法上の基準を用いてアート作品の取り扱いにおける注意義務のレベルを明確にしています。
第3条(委託期間)
契約の有効期間を明示する条項です。開始日と終了日を具体的に記載することで、契約の時間的範囲を明確にし、いつからいつまで当事者がこの契約に拘束されるのかを示しています。
第4条(委託料)
基本的な委託料とその支払い方法について定めています。第1項で金額(消費税別)を明記し、第2項で支払期限と支払方法を具体的に規定しています。契約締結後の日数と振込先を明確にすることで、支払いに関するトラブルを予防しています。
第5条(販売手数料)
アート作品が販売された場合の手数料率と精算方法について規定しています。第1項で販売価格に対する手数料率を定め、第2項で販売代金から手数料を差し引いた金額の支払い期限と方法を明確にしています。
第6条(所有権)
アート作品の所有権が契約期間中も委託者(甲)に帰属することを明確にしています。これにより、受託者は販売を除き、所有権に基づく処分権を持たないことが明確になります。
第7条(再委託の禁止)
受託者が業務を第三者に委託することを制限する条項です。事前の書面による承諾がない限り、業務の全部または一部の再委託を禁止しています。これは委託者の意図しない第三者への業務移転を防ぐためのものです。
第8条(秘密保持)
契約の履行過程で知り得た相手方の業務上の秘密を保護する条項です。この守秘義務は契約期間中だけでなく、契約終了後も継続することを明示しています。アート業界では作家情報や販売価格などの秘密保持が重要となります。
第9条(損害賠償)
契約違反により相手方に損害を与えた場合の賠償責任を定めています。この条項により、契約違反に対する法的責任が明確になり、契約の履行が担保されます。
第10条(契約の解除)
契約違反があった場合の解除手続きを規定しています。相当期間を定めた催告をしても履行されない場合に解除できるとしており、即時解除ではなく、相手方に履行の機会を与える仕組みとなっています。
第11条(反社会的勢力の排除)
反社会的勢力との関係がないことの表明・確約と、それに反した場合の対応について詳細に規定しています。現代の契約では標準的となっている条項で、反社会的勢力との関係が判明した場合は催告なしで即時解除できること、またその場合の損害賠償責任を負わないことを明確にしています。
第12条(協議事項)
契約に明記されていない事項や解釈に疑義が生じた場合の対応方法を定めています。当事者間の誠実な協議により解決することを原則としており、将来生じうる予期せぬ問題に対処するための柔軟性を持たせています。