【１】書式概要
この新規顧客紹介褒賞金規程は、キャバクラやスナック、ラウンジなどのナイトワーク業界で働く女性キャストのモチベーション向上と売上拡大を目的とした報奨制度の雛型です。
多くの夜のお店では、既存のお客様だけでなく新規顧客の獲得が経営の生命線となっています。しかし、キャストに対してどのような基準で褒賞金を支給すべきか、また支給額をどう設定すれば公平性を保てるかという点で悩まれる経営者の方が非常に多いのが現実です。
この規程では、キャストの在籍期間と新規顧客の初回売上額という2つの軸で褒賞金額を明確に定めており、スタッフ間での不公平感を解消できます。新人キャストからベテランまで、それぞれの経験に応じた適切な報酬設定が可能になるため、長期的な人材定着にも効果的です。
実際の運用場面としては、月末の売上集計時に各キャストが紹介した新規顧客数と売上を確認し、規程に基づいて褒賞金を算出する際に使用します。また、新人研修時にこの制度を説明することで、キャストの新規開拓への意欲を最初から高めることができます。
Word形式で提供しているため、お店の実情に合わせて金額や期間を自由に編集できます。●印の部分に具体的な数値を入力するだけで、すぐに運用を開始できる実用的な書式です。経営者の方にとって、スタッフのやる気を引き出しながら店舗の売上向上を実現する強力なツールとなるでしょう。
【２】逐条解説
第1条（目的）の解説
この条文は規程全体の趣旨を明確にする重要な部分です。単に「褒賞金を出す」ではなく、女性キャストの新規顧客紹介に特化した制度であることを明示しています。経営者側としては、この目的を明文化することで制度の濫用を防ぎ、キャスト側も何のための制度なのかを理解しやすくなります。
第2条（褒賞金の支給）の解説
通常の給与・賞与とは別枠の支給であることを強調した条文です。これにより、基本給に影響を与えることなく、追加的なインセンティブとして機能させることができます。例えば、月給20万円のキャストが新規顧客を3名紹介した場合、基本給とは別に褒賞金が支給されるため、実質的な収入アップに直結します。
第3条（褒賞金の額）の解説
この規程の核心となる条文で、在籍期間と売上額の2軸で褒賞金を決定する仕組みを定めています。新人キャストには経験不足を考慮した設定を、ベテランキャストには高い成果への適切な報酬を設定できる合理的な制度設計です。ただし書きで接客基準違反を除外することにより、質の高いサービス提供も同時に促進できます。
第4条（計算期間）の解説
年4回の計算期間を設定することで、キャストのモチベーション維持と事務処理の効率化を両立させています。3ヶ月という期間は、成果を実感するには十分な長さでありながら、目標設定としては現実的な期間です。多くの店舗では四半期ごとの売上管理を行っているため、既存の業務フローにも適合しやすい設計となっています。
第5条（支給対象者）の解説
支給日に在籍していることを条件とすることで、計算期間中に頑張ったキャストが退職直前に褒賞金だけを受け取って辞めるという事態を防げます。ただし、支給日を計算期間終了後一定期間内と定めることで、店舗側も迅速な支給義務を負うことになり、キャストの信頼獲得にもつながります。
第6条（減額の条件）の解説
褒賞金制度を悪用したり、基本的な勤務態度に問題があるキャストに対する抑制効果を持たせた条文です。「指示命令違反」と「接客マナー違反」という2つの要件を設けることで、単純な売上至上主義ではなく、店舗の品格を保ちながら業績向上を図れる仕組みになっています。
第7条（新規顧客の定義）の解説
「新規顧客」の定義を6ヶ月間という具体的期間で明確化した条文です。この定義がないと、過去に一度でも来店したことがある顧客を新規として申告するトラブルが発生する可能性があります。6ヶ月という期間設定により、リピート率の向上と真の新規開拓の両方を促進できる絶妙なバランスを実現しています。
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