【１】書式概要
この利用規約雛型は、女性専用リラクゼーションサロン（非風俗店）を運営される事業者様向けの重要な法的文書です。本雛型は、サロンのサービス範囲の明確化、施術に関する制限事項、お客様の健康・安全への配慮、そして施術者と利用者双方の権利を保護するための包括的な規約となっています。
医療行為との区別を明確にしながら、妊娠中の方や特定の健康状態にある方へのサービス提供制限、貴重品の管理方法、遅刻時の対応など、実務上発生しがちなトラブルへの対処方法が具体的に盛り込まれています。特に性的サービスとの混同を防ぐ条項や、施術者のプライバシー保護、ハラスメント防止に関する規定は、この業界特有の課題に対応しています。
本雛型は新規開業時の規約作成はもちろん、既存サロンの規約見直しにも最適です。地域の法規制や各サロンの具体的なサービス内容に合わせてカスタマイズすることで、トラブルを未然に防ぎ、安全で快適なサロン運営の基盤となるでしょう。法的な保護と顧客満足の両立を目指すサロン経営者様にとって、必要不可欠な文書テンプレートです。
〔条文タイトル〕
第1条（サービスの範囲）
第2条（免責事項）
第3条（アレルギー等に関する免責）
第4条（遅刻に関する対応）
第5条（荷物・貴重品の管理）
第6条（利用制限者）
第7条（施術範囲の説明）
第8条（施術の選択権）
第9条（施術内容に関する要望）
第10条（禁止事項）
【２】逐条解説
第1条（サービスの範囲）
この条項では、サロンが「女性専用のリラクゼーションサロン」であることを明確に定義し、医療行為や医療類似行為を行わないことを宣言しています。これにより、サービスの範囲を明確に限定し、治療目的での利用を防止しています。この条項はサロンの法的位置づけを明確にし、医療機関との区別を図る重要な役割を果たしています。
第2条（免責事項）
施術後に発生した体調不良や怪我に関する対応基準を設定しています。サロンの責任範囲を「医師の診断のもと、当サロン施術との因果関係が証明された場合のみ」と限定することで、不当な責任追及からサロン側を保護する条項です。これにより、クレーム対応の明確な基準が示されています。
第3条（アレルギー等に関する免責）
使用する精油やクリームによる皮膚トラブルについての免責を定めています。同時に、皮膚が敏感な方や皮膚疾患の疑いがある方に事前報告を求めることで、リスク管理の責任を利用者と共有する仕組みとなっています。状況によってはサービス提供を拒否する権利もサロン側に留保しています。
第4条（遅刻に関する対応）
予約時間に遅れた場合の対応方針を示しています。コース変更の可能性を明示することで、遅刻によるスケジュール調整の権限をサロン側に確保し、他の顧客への影響を最小限に抑える意図があります。
第5条（荷物・貴重品の管理）
顧客の持ち物に関する責任の所在を明確にしています。自己責任での管理を原則としつつ、保管場所を提供することで一定の配慮を示しています。紛失・盗難等のトラブル防止のための条項です。
第6条（利用制限者）
サービス提供を控える対象者を12項目にわたり具体的に列挙しています。健康上のリスクがある方（高熱、妊娠中、体調不良等）、サロンの秩序を乱す可能性がある方（泥酔者、暴言・セクハラ行為をする方等）、法的・社会的観点から問題がある方（未成年者、反社会組織関係者等）を明示することで、安全で適切なサービス提供環境を確保する意図があります。
第7条（施術範囲の説明）
「そけい部」「胸部付近」などのデリケートな部位への施術可能性について事前に説明し、顧客に拒否権があることを明示しています。性的サービスではないことを強調しつつ、効果的な施術のための必要性を説明することで、誤解やトラブルを防止する重要な条項です。
第8条（施術の選択権）
顧客が施術を望まない部位がある場合の申し出方法を説明しています。顧客の身体的自己決定権を尊重することで、信頼関係構築につなげる条項です。
第9条（施術内容に関する要望）
施術の方法や強度など、施術全般に関する顧客の要望・制限に対応する姿勢を示しています。顧客満足と安全な施術の両立を図るための条項です。
第10条（禁止事項）
サロン内での禁止行為を8項目にわたり具体的に列挙し、違反時には即時退出・返金なしの対応を明示しています。特に撮影・盗撮行為、セラピストのプライバシー侵害、性的サービス要求、危険行為など、施術者の安全と権利を守るための詳細な規定となっています。この条項は施術者保護の観点から非常に重要であり、トラブル発生時の対応基準として機能します。
