【1】書式概要
この主従関係終了合意書は、大人同士の特殊な関係性を適切に終了させるための重要な書面です。近年、多様な人間関係の形が社会に認知される中で、特に主従関係やBDSM関係といった特殊なパートナーシップを築く成人も増えています。しかし、どんな関係であっても終わりが来ることがあり、その際に感情的なもつれや秘密の漏洩、財産関係の清算など様々な問題が生じる可能性があります。
この書式は、そうした複雑な関係を円満に終了させるために必要な項目を網羅的に整理したものです。特に重要なのは、関係継続中に共有された個人的な情報や画像・動画などのプライバシーに関わる内容の取り扱い、借用物品の返還、金銭関係の清算、そして今後の接触方法についての明確な取り決めです。
実際の使用場面としては、長期間にわたって主従関係を築いてきたカップルが関係を終了する際、お互いの尊厳を保ちながら適切に関係を清算したい場合に活用されます。また、関係終了後のトラブルを未然に防ぎたい方、相手方との今後の関わり方について明確にしておきたい方にも有効です。
この文書はWord形式で提供されているため、お客様の具体的な状況に応じて条項の追加・削除・修正が自由に行えます。パソコンがあれば簡単に編集でき、印刷してすぐにご利用いただけます。専門家に依頼する費用を抑えながら、しっかりとした合意書を作成したい方に最適です。
【2】逐条解説
第1条(関係の終了)
この条項は合意書全体の根幹となる部分で、当事者双方が関係終了に同意していることを明確に示します。ここで重要なのは「円満に」という文言です。これにより、一方的な関係断絶ではなく、お互いが納得した上での終了であることを記録に残せます。例えば、後になって「無理やり関係を終わらせられた」といった主張を防ぐ効果があります。
第2条(相互の尊重)
関係終了後も人格と尊厳を尊重することを約束する条項です。感情的になりがちな関係終了の場面で、相手を傷つける言動を慎むことを明文化しています。具体的には、相手の人格を否定するような発言をSNSに投稿したり、共通の知人に悪口を言いふらしたりする行為を防ぎます。この条項があることで、双方が冷静さを保ちやすくなります。
第3条(秘密保持)
最も重要な条項の一つで、関係継続中に知り得た情報の保護を規定します。主従関係では通常の恋愛関係以上に深い個人情報を共有することが多いため、この約束は不可欠です。例えば、相手の性的嗜好、家族関係、職業上の秘密、身体的特徴などの情報が対象となります。永続的な義務としているため、何年経っても守らなければならない約束です。
第4条(物品の返還)
関係中に相手から借りたり贈られたりした物品の取り扱いを明確にします。SM関係では特殊な道具類を共有することが多く、高価なものも含まれるため、返還・処分・保持の区分を明確にしておくことが大切です。例えば、高価な拘束具は返還、消耗品は処分、記念品的なものは各自保持といった具体的な取り決めを行います。
第5条(写真・動画・記録の取り扱い)
デジタル時代において最も注意が必要な条項です。関係中に撮影された画像や動画、音声記録、文書などの処理方法を詳細に決めます。特にプライベートな内容を含む記録物は、相手の同意なく保持し続けることで後々トラブルの原因となりやすいため、削除・保持・処分の方法を具体的に合意しておくことが重要です。
第6条(金銭関係)
経済的な関係の清算について規定します。主従関係では一方が他方の生活費を支援するケースや、高価な贈り物のやり取りがあることが多いため、関係終了時の金銭的な清算は複雑になりがちです。借金がある場合の返済方法や、贈り物の扱いについて明確にしておくことで、後の金銭トラブルを防げます。
第7条(今後の接触)
関係終了後の連絡方法について取り決めます。完全に連絡を絶つのか、必要最小限の連絡は可能とするのか、友人関係として継続するのかを明確にします。この条項があることで、一方が執拗に連絡を取ろうとしたり、逆に必要な連絡まで拒絶したりするトラブルを防げます。お互いの境界線を尊重した関係を築くための重要な取り決めです。
第8条(SNS・インターネット上の取り扱い)
現代社会で特に重要な条項で、インターネット上での相手に関する投稿について規制します。感情的になった際にSNSで相手を中傷したり、プライベートな写真を投稿したりする行為を防ぎます。また、関係の詳細を公開することで相手のプライバシーを侵害することも禁止しています。デジタル・デトックスの観点からも重要な約束です。
第9条(第三者への影響)
共通の友人やコミュニティへの配慮を規定します。主従関係を持つ人々は特定のコミュニティに属していることが多く、関係終了が周囲に与える影響を最小限に抑える必要があります。例えば、どちらか一方がコミュニティから排除されるような事態を避け、双方が今後も安心してコミュニティ活動を続けられるよう配慮することを約束します。
第10条(違反時の対応)
合意内容に違反した場合の解決手順を定めます。まずは当事者同士での話し合いを基本とし、それで解決しない場合は信頼できる第三者による仲裁を求めることを規定しています。最終手段として対処方法も含めており、段階的な解決プロセスを示すことで、違反があった場合でも冷静な対応を促します。
第11条(合意の確認)
署名の有効性を確認する条項です。双方が内容を十分理解し、自由意思で署名していることを明文化します。後になって「内容を理解していなかった」「強制されて署名した」といった主張を防ぐ効果があります。この条項により、合意書全体の信頼性と有効性が高まります。
第12条(その他)
個別の事情に応じた特記事項を記載する条項です。標準的な条項では対応しきれない特殊な事情がある場合、この条項で補完できます。例えば、特定の場所への立ち入り禁止、共通のペットの世話の分担、特殊な約束事などを記載できる柔軟性のある条項として機能します。
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