〔1〕書式概要
この書式は、マンションや共同住宅の管理組合が、区分所有者や入居者に対してルーフテラス等の共用部分に無断で設置された増築物(簡易プレハブや工作物など)の撤去を求める際に活用できる通知文のひな型です。専用使用権があるからといって勝手に建物を増設してしまうケースは少なくなく、管理規約違反や近隣トラブルの原因にもなります。そのような場合に、管理組合が正式な手続きとして内容証明郵便を用い、増築物の撤去を請求するために使われます。
この通知書を使用する場面としては、例えば「ルーフテラスに物置を設置された」「バルコニーに簡易建築物が増築された」といった状況が想定されます。Word形式で編集可能なため、住所や部屋番号、撤去期限などの具体的な事情に合わせて簡単に修正できます。専門知識がなくても利用しやすい内容となっており、管理組合の理事長や管理会社の担当者が実務で直ちに活用できる点が特徴です。
〔2〕条文タイトル
本書式内の主要部分を条文風に整理すると以下のとおりです。
-
第1条(通知の送付)
-
第2条(無断設置の事実)
-
第3条(共用部分の取扱い)
-
第4条(違反行為の指摘)
-
第5条(撤去請求)
-
第6条(期限と対応)
-
第7条(法的手段の予告)
〔3〕逐条解説
第1条(通知の送付) 管理組合の代表者が正式な立場で相手方に通知を送ることを示しています。単なる注意喚起ではなく、管理組合としての意思表示であるため、文書の効力が重みを持ちます。
第2条(無断設置の事実) ルーフテラスに増築物が設置されたという具体的事実を明示しています。例えば「物置」「プレハブ小屋」「ウッドデッキ」など、何が問題なのかを特定することで、相手が言い逃れできないようになります。
第3条(共用部分の取扱い) 専用使用権があっても所有権はなく、あくまで共用部分であることを明確にしています。この点を押さえることで、規約違反の根拠がはっきりします。
第4条(違反行為の指摘) 管理規約に違反していることを強調しています。これにより「感情的な要請」ではなく「ルールに基づいた要求」であることを示せます。
第5条(撤去請求) 撤去を求める核心部分です。「撤去せよ」と断定することで、文書の目的が相手に明確に伝わります。
第6条(期限と対応) 「14日以内に撤去」と期限を区切ることで、相手に具体的な行動を迫ることができます。期限を設けないと、対応が先延ばしにされる危険があります。
第7条(法的手段の予告) 従わない場合は法的対応を取る旨を伝えることで、心理的圧力を加える効果があります。例えば「訴訟提起」「強制執行」といった次のステップを暗示することで、相手に事態の重大さを理解させます。
〔4〕活用アドバイス
この書式を使用する際は、まず事実関係(増築物の写真や住民からの報告など)をしっかり記録しておくと効果的です。その上で、相手に直接注意するよりも、最初から内容証明郵便を利用する方が説得力があります。文章はできるだけ冷静に、感情的な表現を避け、規約に基づいた理性的な主張を心掛けるとスムーズに対応が進みます。
〔5〕この文書を利用するメリット
この通知書を活用することで、管理組合や管理会社は「規約違反を正式に指摘した」という証拠を残せます。また、期限を切った要求と法的手段の予告によって、相手に心理的プレッシャーを与えることができるため、早期解決につながりやすいです。さらに、Word形式で編集できるので、事例ごとに簡単にアレンジでき、実務担当者の負担を大幅に軽減します。
|