第1条（業務内容）
この条項は警備会社が実施する具体的な業務範囲を明確化する重要な規定です。別紙で物件の詳細を指定することで、警備対象となる建物や設備を限定し、業務の範囲を明確にしています。火災や盗難などの具体的なリスクを列挙することで、警備会社が対応すべき事態を予め想定できるため、実際の警備計画立案に役立ちます。例えば、オフィスビルであれば夜間の不審者侵入防止、商業施設なら営業時間外の防犯対策といった具合に、施設の特性に応じた警備内容を別紙で詳細に定めることができます。
第2条（報告義務）
月次報告の義務を定めた条項で、警備業務の透明性と品質管理を確保する仕組みです。翌月5日までという具体的な期限を設けることで、報告の遅延を防ぎ、委託者側も警備状況を適切に把握できます。報告書式を別紙で統一することにより、必要な情報が漏れなく記載され、比較検討も容易になります。実際の運用では、警備日誌の要約や異常事態の発生件数、対応状況などが報告内容に含まれることが一般的です。
第3条（業務委託報酬）
報酬の支払い条件を明確に定めた条項です。月末払いという支払いサイクルを設定することで、警備会社の資金繰りに配慮しつつ、委託者側も予算管理がしやすくなります。振込手数料を委託者負担とすることで、警備会社が受け取る実質的な報酬額を保護しています。金額部分を●印で記載することで、個別案件に応じた柔軟な設定が可能となり、様々な規模の警備契約に対応できる構造となっています。
第4条（秘密保持義務）
警備業務の性質上、警備会社は建物の構造や入退室の状況、テナント情報など機密性の高い情報に接することになります。この条項により、そうした情報の外部漏洩を防ぎ、委託者の事業上の利益を保護します。特にオフィスビルや工場などでは、企業機密に関わる情報が多いため、この規定が重要な役割を果たします。違反した場合の具体的な責任については、必要に応じて詳細を追加することもできます。
第5条（損害賠償責任）
警備会社の責任範囲を明確にした条項です。業務遂行上の過失により損害が発生した場合の対応手順を定めており、まず速やかな報告を求めることで早期の対応を促しています。ただし、警備会社が負う責任の範囲については、個別の案件に応じてより詳細な規定を追加することが望ましい場合もあります。例えば、自然災害や第三者の故意による損害については免責とする条項を加えることも検討されるでしょう。
第6条（契約期間）
自動更新条項を含む期間設定により、継続的な警備体制の維持を図っています。1か月前の通知により更新拒絶ができる仕組みは、双方に適度な予見可能性を与えつつ、契約関係の見直し機会を確保しています。警備業務は継続性が重要であるため、自動更新条項により安定した警備体制を維持できる一方、サービス内容や条件の見直しが必要な際には適切なタイミングで契約終了も可能となっています。
第7条（裁判管轄）
契約に関する紛争が生じた場合の解決手続きを定めた条項です。専属管轄を定めることで、紛争解決の場を予め限定し、当事者双方にとって予見可能性を高めています。実務では、委託者の本店所在地を管轄する裁判所を指定することが多く、委託者側の利便性に配慮した規定となることが一般的です。
