〔改正民法対応版〕薬剤師業務委託契約書

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〔改正民法対応版〕薬剤師業務委託契約書

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【1】書式概要 

 

この薬剤師業務委託契約書は、薬局や病院が薬剤師と業務委託関係を結ぶ際に必要となる契約書のひな形です。近年、働き方の多様化に伴い、正社員ではなく業務委託として働く薬剤師が急激に増加しています。特に子育て中の薬剤師や、複数の職場で働きたい薬剤師、独立を目指す薬剤師にとって、業務委託という働き方は非常に魅力的な選択肢となっています。

 

薬剤師の業務委託では、調剤業務から薬剤情報提供、薬剤管理、製剤業務、注射薬払い出し、病棟業務まで幅広い業務内容が想定されます。この契約書では、これらすべての業務を網羅的にカバーしており、実際の現場で起こりうる様々な状況に対応できるよう設計されています。

 

改正民法に完全対応しているため、2020年4月以降の債権関係規定の変更点もすべて反映されています。従来の契約書をそのまま使用していると、知らず知らずのうちに法的リスクを抱えてしまう可能性がありますが、この契約書なら安心してご利用いただけます。

 

実際の使用場面としては、調剤薬局チェーンが繁忙期に薬剤師を短期間で雇用したい場合、病院が夜間や休日の薬剤師業務を外部委託したい場合、薬剤師が複数の薬局で働きたい場合、薬剤師が独立して個人事業主として活動を始める場合などが挙げられます。最近では、在宅医療の拡大により、訪問薬剤師として業務委託で働くケースも増えており、そうした新しい働き方にも対応できる内容となっています。

 

個人情報保護法や薬機法といった薬剤師業務に関連する各種法令への対応条項も充実しており、コンプライアンス面でも万全です。秘密保持義務や再委託の制限など、薬剤師業務の特殊性を十分に考慮した条項設計となっているため、実務で即座に活用できます。

 

契約期間の自動更新条項や報酬支払い条件、業務報告義務など、実際の運用で問題となりやすいポイントについても、バランスの取れた内容で規定されています。また、不可抗力条項では、新型コロナウイルス感染症のような予期せぬ事態にも対応できるよう配慮されています。

 

薬局経営者、病院の薬剤部長、人事担当者の方はもちろん、フリーランスとして活動する薬剤師の方にとっても、適切な契約関係を構築するための必須ツールとなるでしょう。

 

【2】条文タイトル

 

第1条(目的)
第2条(定義)
第3条(委託業務)
第4条(個別契約)
第5条(契約期間)
第6条(報酬)
第7条(善管注意義務)
第8条(業務報告)
第9条(秘密保持)
第10条(個人情報の保護)
第11条(再委託の禁止)
第12条(権利義務の譲渡禁止)
第13条(成果物の帰属)
第14条(契約の解除)
第15条(損害賠償)
第16条(反社会的勢力の排除)
第17条(不可抗力)
第18条(存続条項)
第19条(協議事項)
第20条(準拠法)
第21条(管轄裁判所)

 

【3】逐条解説

 

第1条(目的)

 

この条文は契約全体の基本的な枠組みを示しています。薬剤師業務の委託関係において、双方の立場を明確にする重要な規定です。例えば、調剤薬局が繁忙期に外部の薬剤師に業務を依頼する場合、この条文によって雇用関係ではなく業務委託関係であることが明確になります。

第2条(定義)

 

契約書内で使用される専門用語の意味を統一するための条文です。特に「成果物」の定義は重要で、薬剤師が作成した調剤記録や服薬指導記録なども含まれる可能性があります。実務では、どこまでが成果物に含まれるかで後々トラブルになることがあるため、この定義条項が非常に重要な役割を果たします。

第3条(委託業務)

 

薬剤師業務の具体的な内容を網羅的に規定した核心部分です。調剤業務から病棟業務まで幅広くカバーしており、現代の薬剤師業務の多様性を反映しています。例えば、在宅医療が拡大する中で、訪問薬剤師としての業務も「その他個別契約で別途定めた業務」に含めることができます。薬局清掃などの付帯業務も明記されており、実務的な配慮が見られます。

第4条(個別契約)

 

基本契約と個別契約を分離する仕組みを規定しています。これにより、薬局チェーンが複数の薬剤師と基本契約を結び、必要に応じて個別の業務委託を発注することが可能になります。繁忙期や急な欠員対応などで柔軟な運用が可能となる、実用的な条項設計です。

第5条(契約期間)

 

自動更新条項を含む期間規定です。薬剤師業務の継続性を考慮した設計となっており、双方にとって安定した関係を構築できます。例えば、調剤薬局が長期的に薬剤師を確保したい場合、この自動更新機能により継続的な業務委託関係を維持できます。

第6条(報酬)

 

月額制の報酬体系を基本としつつ、支払い条件も明確に規定しています。振込手数料を委託者負担とする点は、薬剤師にとって有利な条件です。また、報酬変更の協議条項により、業務内容の変化に応じた柔軟な対応が可能となっています。実際の薬剤師業務では、時給制や日給制も多いため、個別契約でこれらの条件を調整することになります。

第7条(善管注意義務)

 

薬剤師としての専門性に相応しい注意義務を規定しています。薬剤師は患者の生命や健康に直接関わる業務を行うため、一般的な業務委託よりも高い注意義務が求められます。調剤ミスや服薬指導の不備などが起きないよう、この条項が重要な歯止めとなります。

第8条(業務報告)

 

業務の透明性と品質管理を確保するための規定です。薬剤師が複数の薬局で働く場合でも、各薬局に対して適切な報告義務を負うことが明確になります。また、調剤過誤などの重大事態発生時の報告義務も規定されており、リスク管理の観点から重要な条項です。

第9条(秘密保持)

 

薬剤師業務では患者情報や処方情報など、極めて機密性の高い情報を扱います。この条項により、業務委託終了後も含めて厳格な秘密保持が義務付けられます。近年、個人情報保護の重要性が高まる中で、この条項の重要性はますます増しています。

第10条(個人情報の保護)

 

個人情報保護法への対応を明確に規定した条項です。薬剤師業務では患者の個人情報を日常的に扱うため、法令遵守は絶対的な要求事項となります。例えば、電子薬歴システムへのアクセスや患者情報の取り扱いについて、この条項に基づいて厳格な管理が求められます。

第11条(再委託の禁止)

 

薬剤師業務の専門性と責任の明確化を図る重要な条項です。薬剤師免許を持たない者への再委託を防ぎ、業務品質を保証します。ただし、薬剤師が薬局事務員に補助業務を依頼するような場合の調整も、この条項により可能となっています。

第12条(権利義務の譲渡禁止)

 

契約関係の安定性を確保するための規定です。薬剤師と薬局の信頼関係に基づく契約であることから、第三者への譲渡を制限しています。これにより、予期しない相手との契約関係に巻き込まれるリスクを防げます。

第13条(成果物の帰属)

 

薬剤師が作成する各種記録や報告書の権利帰属を明確化しています。調剤記録や服薬指導記録、薬剤管理記録などは薬局の資産として扱われることになります。これにより、薬剤師が他の薬局に移った場合でも、業務記録は適切に管理されます。

第14条(契約の解除)

 

契約解除事由を網羅的に規定した条項です。薬剤師業務の特殊性を考慮し、薬機法違反や調剤過誤などの重大な問題が発生した場合の対応も想定されています。また、経営破綻などの経済的事由による解除も規定されており、実務的な配慮が見られます。

第15条(損害賠償)

 

改正民法の債権関係規定に対応した損害賠償条項です。薬剤師業務では調剤過誤による患者への健康被害リスクもあるため、賠償範囲の限定条項が重要な意味を持ちます。予見可能性の要件により、過度な賠償責任を回避できます。

第16条(反社会的勢力の排除)

 

コンプライアンス強化の観点から必須となった条項です。薬局業界でも反社会的勢力との関係遮断は重要な課題となっており、この条項により健全な業務委託関係を確保できます。近年の社会情勢を反映した重要な規定といえます。

第17条(不可抗力)

 

新型コロナウイルス感染症のような予期せぬ事態への対応を想定した条項です。薬局の休業や薬剤師の感染による業務停止など、双方の責任を超えた事態に対する免責規定となります。現代社会のリスクを考慮した実用的な条項です。

第18条(存続条項)

 

契約終了後も継続すべき義務を明確化しています。特に秘密保持義務や個人情報保護義務は、患者の権利保護の観点から契約終了後も永続的に継続する必要があります。薬剤師業務の特殊性を反映した重要な規定です。

第19条(協議事項)

 

契約書に明記されていない事項や解釈に疑義が生じた場合の解決方法を定めています。薬剤師業務は多様化が進んでおり、すべてのケースを契約書で規定することは困難です。この条項により、柔軟な問題解決が可能となります。

第20条(準拠法)

 

日本の薬機法や個人情報保護法などの関連法令に基づく業務であることから、日本法を準拠法とする旨を明確化しています。海外資本の薬局チェーンなどでも、日本国内での薬剤師業務については日本法が適用されることになります。

第21条(管轄裁判所)

 

紛争解決の迅速化と費用削減を図るための管轄合意条項です。薬剤師業務は地域密着性が高いため、業務実施地域の裁判所を管轄とすることが実務的です。これにより、万が一の紛争発生時も効率的な解決が期待できます。

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