〔1〕書式概要
この示談書は、保育所において発生した事故に関し、保育所の設置者と被害児童の保護者との間で損害賠償や今後の対応について合意するために作成されるひな型です。事故の状況や責任の所在、賠償金額やその支払い方法、再発防止策、さらには治療の継続や秘密保持に関する取り決めまで幅広く網羅されているため、実際に事故が発生した際に双方が冷静に合意点を整理するのに役立ちます。
特に保育施設を運営する法人や個人にとって、事故後のトラブルを最小限に抑え、保護者の信頼を維持するための重要なツールとなります。
この文書はWord形式で提供されているため、実際の事案に応じて日付・金額・事故内容などを自由に修正・編集することができます。専門知識のない方でも直感的に扱えるように構成されており、弁護士への相談を併用することで、より確実に実務で活用できます。
〔2〕条文タイトル
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第1条(事故の概要)
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第2条(過失の認定)
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第3条(損害賠償)
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第4条(今後の対応)
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第5条(治療の継続)
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第6条(示談の効力)
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第7条(秘密保持)
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第8条(解除)
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第9条(協議事項)
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第10条(合意管轄)
〔3〕逐条解説
第1条(事故の概要)
事故がいつ、どこで、どのように発生したかを記録する部分です。事実関係を明確にすることで後の誤解を防ぎます。たとえば「園庭の遊具で転倒して骨折」など具体的に記載することで、後日の紛争防止につながります。
第2条(過失の認定)
保育所側が安全配慮を怠ったことを認める条項です。責任を明示することで、保護者側の安心感を高め、話し合いを円滑に進められるようにしています。
第3条(損害賠償)
治療費や慰謝料など、具体的な金額や内訳を定める部分です。「通院交通費」や「休業損害」など現実的に発生する費用を含めているため、保護者の負担を明確に補填できます。支払い期限を定めることで実行力も担保されます。
第4条(今後の対応)
再発防止策を具体的に列挙し、報告義務まで設けています。例えば「職員研修の実施」や「施設点検の強化」などを盛り込むことで、同様の事故防止に役立つと同時に、保護者からの信頼回復にもつながります。
第5条(治療の継続)
示談成立後も治療が必要な場合を想定し、医師の指示に基づいて費用を負担する仕組みを定めています。長期治療を伴う事故にも柔軟に対応できる点が特徴です。
第6条(示談の効力)
合意した賠償金を受け取れば、それ以上の請求をしないという条項です。ただし、治療の継続費用については例外を認めているため、被害児童に不利益が生じないよう配慮されています。
第7条(秘密保持)
示談内容を外部に漏らさない取り決めです。保育所の信用保護や、保護者のプライバシー保持に役立ちます。専門家への相談については例外を設けている点も実務的です。
第8条(解除)
虚偽の事実が発覚した場合などに、示談を解除できると定めています。万が一のトラブル時に備えた安全弁といえます。
第9条(協議事項)
定めのない点については誠実に話し合う、とする条項です。裁判に頼らず解決できる可能性を広げています。
第10条(合意管轄)
紛争が裁判に発展した場合の管轄裁判所をあらかじめ定めています。どの裁判所で争うかを明確にすることで余計な手間を省けます。
〔4〕活用アドバイス
この文書を活用する際は、まず実際の事故内容を正確に記録することが重要です。そのうえで金額や支払方法、再発防止策を現実に即した内容に修正すると、トラブル防止に大きく役立ちます。また、弁護士や保険会社に確認を依頼すれば、より安心して使用できます。
〔5〕この文書を利用するメリット
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