【1】書式概要
この契約書は、スポーツ団体や競技団体が外部の審判員に試合の審判業務を委託する際に使用する専門的な契約書です。近年、スポーツ界では審判員の専門性向上と公平性確保のため、外部審判員への業務委託が一般的になっています。
本契約書では、審判員の基本的な業務内容から報酬の支払い方法、機密保持義務、契約期間まで、審判業務に関わる重要な事項を包括的に定めています。特に改正民法に完全対応しており、現在の制度に沿った内容となっています。
実際の使用場面としては、プロスポーツリーグでの試合運営、学校体育連盟の大会開催、地域スポーツクラブの競技会運営などが想定されます。また、新しく審判員制度を導入する団体や、既存の契約内容を見直したい組織にも最適です。
Word形式で提供されるため、各団体の実情に合わせて条文の修正や追加が簡単に行えます。競技種目や報酬体系、契約条件などを自由にカスタマイズできる使い勝手の良い契約書雛型です。
【2】条文タイトル
- 第1条(目的)
- 第2条(委託業務の内容)
- 第3条(善管注意義務)
- 第4条(委託料)
- 第5条(業務の再委託の禁止)
- 第6条(機密保持)
- 第7条(損害賠償)
- 第8条(契約期間)
- 第9条(解除)
- 第10条(協議事項)
- 第11条(管轄裁判所)
【3】逐条解説
第1条(目的)
この条文は契約全体の基本方針を明確にするものです。スポーツ審判員業務という特殊な業務の性質上、単なる業務委託ではなく、公平性と専門性を重視した委託関係であることを明示しています。実際の運用では、この条文を根拠として審判員の独立性や中立性が保護されることになります。
第2条(委託業務の内容)
審判員が担当する具体的な業務範囲を詳細に定めています。試合中の審判業務だけでなく、事前の会場確認や事後の報告書作成まで含めているのが特徴です。例えば、サッカーの試合では試合開始2時間前の会場到着から、試合終了後の審判報告書提出までが業務範囲となります。これにより、審判員の責任範囲が明確になり、後々のトラブルを防げます。
第3条(善管注意義務)
スポーツ審判員に求められる職業倫理と専門性を条文化したものです。「善良なる管理者の注意義務」は改正民法でも重要な概念で、審判員には一般的な注意義務以上に、専門家としての高度な注意義務が課されます。具体的には、競技規則の完全な理解、公平な判定、適切な試合管理などが求められます。
第4条(委託料)
報酬の支払い条件を明確に定めています。基本委託料と交通費を分けて設定することで、透明性の高い報酬体系を構築しています。月末締めの翌月15日払いという支払いサイクルは、審判員の収入安定化に配慮したものです。振込手数料を委託者負担とすることで、審判員の実質的な収入保護も図っています。
第5条(業務の再委託の禁止)
審判業務の特殊性を考慮した重要な条文です。審判の判定は個人の専門性と人格に依存するため、第三者への再委託は原則として認められません。例えば、指名された審判員が急病で出場できない場合でも、勝手に代理人を立てることはできず、必ず委託者との協議が必要になります。
第6条(機密保持)
スポーツ界特有の機密情報保護を定めています。審判員は試合戦略や選手情報、運営上の内部情報などに接する機会が多いため、これらの情報管理は極めて重要です。契約終了後も継続する秘密保持義務により、長期的な信頼関係を維持できます。
第7条(損害賠償)
審判員の責任範囲を明確にした条文です。故意または重大な過失がある場合のみ損害賠償責任を負うとしており、審判員の判定ミスによる通常の責任は問われません。これにより、審判員は萎縮することなく適切な判定に集中できます。
第8条(契約期間)
契約の有効期間と自動更新条項を定めています。1年間の自動更新システムにより、毎年の契約更新手続きを簡素化できます。1ヶ月前の事前通知制度により、双方に十分な準備期間を与えています。
第9条(解除)
契約解除の条件を段階的に設定しています。通常の契約違反については催告期間を設けて改善の機会を与える一方、重大な違反については即座に解除できる仕組みです。破産等の客観的事由による解除条項も設けており、リスク管理を徹底しています。
第10条(協議事項)
契約書に明記されていない事項や解釈に疑義が生じた場合の対応方法を定めています。訴訟に発展する前の段階で、当事者間の話し合いによる解決を促進することで、長期的な信頼関係を維持できます。
第11条(管轄裁判所)
万一の紛争に備えた管轄裁判所の指定です。専属的合意管轄により、予測可能性を高めて紛争解決の効率化を図っています。委託者の本拠地近くの裁判所を指定することが一般的です。
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