【1】書式概要
こちらはスポンサー企業とアスリート間のエンドースメント契約書のテンプレートです。本契約書は、企業がアスリートに製品を提供し、アスリートがその製品を使用・着用するという基本的な関係性を構築するためのものです。契約内容には、アスリートによる製品開発へのアドバイザリー業務、イベント参加、広告出演、肖像権の使用許諾などが含まれており、両者の権利義務関係を明確に定めています。
このテンプレートは特にスポーツ用品メーカーやスポーツ関連企業がプロアスリートやアマチュアアスリートとのスポンサーシップ関係を確立する際に最適です。また、近年増加しているインフルエンサーマーケティングの文脈でも応用可能です。契約期間、報酬額、支払条件などの重要事項は空欄となっており、個別の契約内容に応じてカスタマイズできます。
改正民法に準拠しており、独占権の設定、秘密保持義務、知的財産権の帰属、契約更新条件、反社会的勢力の排除など、現代のビジネス環境において必要な条項を網羅しています。契約トラブルを未然に防ぎ、スポンサーとアスリート双方の権利を保護するための完成度の高い法的文書です。特に肖像権の取り扱いについては明確に規定されており、広告・宣伝活動における法的リスクを軽減します。
法律の専門知識がなくても理解しやすい平易な表現で作成されており、必要に応じて弁護士によるレビューを経た上で、実際の契約締結に使用することができます。スポーツビジネスに関わる企業担当者や代理人、マネジメント会社などにとって、効率的かつ安全な契約作成をサポートする貴重なリソースとなるでしょう。
〔条文タイトル〕
第1条(目的)
第2条(契約期間)
第3条(製品の提供および使用)
第4条(アドバイザリー業務)
第5条(イベント参加および広告出演)
第6条(肖像権等の使用)
第7条(独占権)
第8条(報酬)
第9条(経費の負担)
第10条(権利の帰属)
第11条(秘密保持)
第12条(契約の更新)
第13条(反社会的勢力の排除)
第14条(解除)
第15条(損害賠償)
第16条(協議)
第17条(管轄裁判所)
【2】逐条解説
第1条(目的)
本条は契約の目的を明確に定義しています。スポンサー企業がアスリートに製品を提供し、アスリートがそれを使用・着用すること、アドバイザリー業務の実施、イベント参加や広告出演、肖像権の使用などが主な目的として挙げられています。この条項は契約全体の性質を規定する基礎となります。
第2条(契約期間)
契約の有効期間を定める条項です。具体的な開始日と終了日を記入する形式になっており、両当事者の権利義務関係がいつからいつまで続くのかを明確にします。
第3条(製品の提供および使用)
本条はスポンサー企業による製品の無償提供とアスリートによる使用・着用義務について定めています。特に第2項ではアスリートの使用方法がスポンサー企業の指示に従うことを明記しており、ブランドイメージの一貫性を保つための規定となっています。
第4条(アドバイザリー業務)
アスリートが製品に関する企画、開発、製造、販売等について意見や助言を提供する義務を定めています。この条項により、アスリートの専門的な知見や経験をスポンサー企業の製品開発に活かす仕組みが確保されます。
第5条(イベント参加および広告出演)
アスリートがスポンサー企業の協賛・主催イベントへの参加義務や広告出演義務を定めています。これによりスポンサー企業は自社製品のプロモーションにアスリートを活用できます。
第6条(肖像権等の使用)
アスリートの肖像、氏名、声などの使用許諾について定めています。第2項では使用目的が広告、宣伝、販売促進等に限定されており、スポンサー企業の権利範囲を明確にしています。
第7条(独占権)
スポンサー企業がアスリートに対して本契約に定める業務に関する独占的権利を有することを規定しています。これにより、競合他社との契約が制限されることになります。
第8条(報酬)
アスリートへの報酬額とその支払い方法について定めています。具体的な金額と支払期限を記入する形式になっており、金銭的対価の明確化を図っています。
第9条(経費の負担)
アスリートの業務に関連して発生する交通費や宿泊費などの経費負担について定めています。これらの経費をスポンサー企業が負担することを明記しており、アスリートの経済的負担を軽減する内容となっています。
第10条(権利の帰属)
本契約に基づき制作された広告・宣伝物等の知的財産権の帰属について定めています。これらの権利がスポンサー企業に帰属し、アスリートはその使用を無償で許諾することを規定しています。
第11条(秘密保持)
両当事者が契約に関連して知り得た相手方の秘密情報を第三者に開示しないことを義務付けています。これにより企業秘密やアスリートのプライバシーが保護されます。
第12条(契約の更新)
契約期間満了時の更新手続きについて定めています。一定期間前までに別段の意思表示がない場合の自動更新条項と、スポンサー企業が持つ優先的交渉権について規定しています。
第13条(反社会的勢力の排除)
当事者が反社会的勢力に該当しないことの表明保証と、相手方が該当した場合の即時解除権について定めています。これは日本の契約書において一般的に含まれる条項で、健全な契約関係の維持を目的としています。
第14条(解除)
契約解除の条件について定めています。第1項では契約違反時の解除手続き、第2項では催告不要で即時解除できる重大な事由を列挙しています。これにより契約関係の安定性と適切な終了手段を確保しています。
第15条(損害賠償)
契約違反による損害発生時の賠償責任について定めています。シンプルな規定ですが、違反行為に対する抑止力として機能します。
第16条(協議)
契約に定めのない事項や解釈に疑義が生じた場合の解決方法として、誠意を持った協議による解決を規定しています。これにより予期せぬ事態にも柔軟に対応できるようになっています。
第17条(管轄裁判所)
契約に関する紛争が生じた場合の裁判管轄について定めています。第一審の専属的合意管轄裁判所を指定することで、紛争解決の手続きを明確にしています。