【1】書式概要
この事実婚に関する合意書は、法律上の婚姻届を提出せずに夫婦同然の生活を送るカップルのための重要な書式です。近年、様々な理由で入籍を選択しない男女が増える中、お互いの権利と義務を明確にしておくことの重要性が高まっています。
この合意書があることで、住居費や生活費の分担方法、財産の管理方法、将来子どもが生まれた場合の取り決めなど、同居生活で起こりがちなトラブルを事前に防ぐことができます。また、周囲の人々や職場、各種手続きの際に、真剣な事実婚関係であることを証明する書面としても活用できます。
特に、住宅ローンの連帯保証人になる場合、保険の受益者指定、病院での面会や医療判断の際など、正式な関係性を示す必要がある場面で威力を発揮します。賃貸住宅を借りる際にも、大家さんや不動産会社に対して安定した関係であることをアピールできるでしょう。
Word形式での提供となりますので、お二人の状況に合わせて自由に編集・カスタマイズが可能です。パソコンがあれば簡単に入力でき、印刷してすぐにご利用いただけます。将来的に状況が変わった場合も、合意の上で内容を修正することができるため、長期にわたってお使いいただける実用的な書式です。
【2】逐条解説
第1条(事実婚の成立)
この条項では、いつから事実婚関係が始まるのかを明確にします。なんとなく一緒に住み始めたという曖昧な状態ではなく、特定の日付を設定することで、後々のトラブルを避けることができます。例えば、同居を開始した日や、お互いが事実婚の意思を確認し合った記念日などを設定するカップルが多いです。
第2条(同居に関する取り決め)
住む場所と住居にかかる費用の負担割合を決める重要な条項です。家賃を半分ずつ負担するのか、収入に応じて割合を変えるのかを事前に決めておけば、お金の問題で揉めることがありません。光熱費についても同様で、毎月の固定費として予算を組みやすくなります。
第3条(生活費の分担)
食費や日用品など、日々の生活に必要な支出をどう分担するかを定めます。共通の口座を作って毎月決まった額を入金する方法や、食費は彼女、日用品は彼氏といった具合に項目別に担当を分ける方法があります。収入格差があるカップルでは、収入比に応じた負担割合を設定することも多いです。
第4条(財産の管理・分離)
それぞれが持っていた貯金や車、今後購入する高額な物の所有権について明確にします。例えば、彼氏の貯金で車を買った場合はその人の財産、二人で出し合って家具を買った場合は共有財産となります。別れる際の財産分与でトラブルになりやすい部分なので、特に慎重に取り決めておく必要があります。
第5条(子どもに関する合意)
将来的に子どもを希望するかどうか、生まれた場合の認知や養育費について定めます。事実婚では自動的に父親の戸籍に入らないため、認知の手続きが必要になります。また、どちらかに既に子どもがいる場合の養育方針についても話し合っておくことが大切です。
第6条(親族関係)
お互いの家族や親戚に対して、事実婚関係であることをどう説明するかを決めます。結婚式を挙げない分、家族や友人への紹介の仕方や、冠婚葬祭への参加方法について事前に相談しておくとスムーズです。
第7条(姓名の使用)
事実婚では基本的にそれぞれの姓を名乗り続けますが、社会生活上で同じ姓を使いたい場面もあります。例えば、賃貸契約や子どもの学校関係で統一した姓を使用する場合の取り決めです。
第8条(事実婚関係の解消)
残念ながら関係を解消することになった場合の手続きについて定めます。お互いに誠実に話し合うこと、財産分与や慰謝料について協議すること、それでも解決しない場合は家庭裁判所の調停を利用することなどを明記しています。
第9条(その他)
合意書に書かれていない新たな問題が生じた場合や、内容を変更したい場合の取り決めです。口約束ではなく、必ず書面で変更することを定めており、後々の言った言わないのトラブルを防げます。
第10条(管轄裁判所)
万が一、調停や裁判になった場合にどこの家庭裁判所で手続きを行うかを決めています。通常は住所地を管轄する家庭裁判所を指定することが一般的です。
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