テンプラザ書式工房
2025年10月30日

攻めの法務を実現するための第一歩🚀 リーガルリスクマネジメント入門

攻めの法務を実現するための第一歩🚀 リーガルリスクマネジメント入門

攻めの法務を実現するための第一歩🚀 リーガルリスクマネジメント入門

 

こんにちは!今日は企業法務の世界で注目されている「攻めの法務」について、わかりやすく解説していきます💡

 

 

「リスクがあります」で終わらせていませんか?🤔

 

 

法務部の皆さん、こんな経験ありませんか?

 

事業部から相談を受けて、しっかりリスク分析をして、丁寧に報告書をまとめて送信。「これで完璧!」と思っていたら、上司から「このプロジェクト、全然動いてないけど?」と言われてしまった...

 

実はこれ、私自身がAirbnbの法務部で経験したことなんです😅

 

当時、シンガポールの事業部に日本法のリスク分析を提供したんですが、上司のKun Hongからこう言われました。

 

「案件を前に転がすのが法務の仕事だよ。リスクの分析は詳しく書いてあるけど、どうやったらリスクテイクできるのか、これじゃ事業部には分からないよ」

ガーン⚡ 私は仕事を完璧にやったつもりだったのに...

なぜ「リスクがあります(完)」はダメなのか?❌

 

 

法律の専門家じゃない事業部の立場で考えてみてください。

 

「日本法のリスクがあります」という長文レポートをもらっても、どうすればリスクテイクして事業を前に進められるかという観点からは、十分な情報がないんです。

 

つまり、十分な情報に基づく意思決定(informed decision)には役立たないということ💦

 

 

法務が案件を「葬って」いる?⚰️

 

 

もっと厳しいことを言うと、「リスクがあります(完)」という法的助言は、事業を阻害する助言なんです。

 

想像してみてください。もしライバル企業を妨害したいなら、法務部員に協力してもらって、あらゆるリーガルリスクを指摘して「リスクがあります(完)」を連発させればいい。そうすれば、新規事業なんて生まれてこなくなります😱

 

これって、実は結構簡単にできちゃうんです...

 

 

法務の「NO」が毀損する事業価値💰

 

 

経済産業省も「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」で、法務の「NO」による事業価値の毀損について検討しています。

 

 

大切なポイントは:

  • 法務部の「NO」の重みを自分事として捉える
  • 「NO」と拒絶される事業部の痛みを実感する
  • 自分がP/L(収益の数字)を背負っていないことを自覚する

 

「攻めの法務」の第一歩は、この認識から始まります✨

 

リスクは常に2軸で分析しよう📊

 

 

じゃあ、どうすればいいの?答えは2つの軸でリスクを見ることです!

 

5×5のリーガルリスクマトリクス

 

 

国際規格のISO31000・ISO31022に基づくと、リスクは以下の2軸で分析できます:

 

X軸:リスクの起こりやすさ 📈

  • 取引先の信用度は?
  • 過去の実績は?
  • 法律の執行可能性は?
  • 事業活動の頻度は?

 

 

Y軸:結果の大きさ 📉

  • 50万円の損失?それとも5000万円?
  • 会社の規模から見てどのくらいのインパクト?
  • 刑事罰?行政処分?民事訴訟?

この2軸を掛け算することで、リスクの全体像が見えてきます👀

なぜ数字にするの?

正しい数値を付けることが目的じゃありません。大事なのは:

  1. 自己検証ができる:1〜5の中で自分の分析を定量化
  2. コミュニケーションが円滑に:法律の専門性を脱色して、誰でも対等に議論できる
  3. フィードバックが得られる:他者からの意見で盲点に気づける

「○○法のリスクが中程度あります」より、「起こりやすさは低、結果の大きさは中」の方が、ずっと分かりやすいですよね💡

 

真骨頂は「リスクの低減策」🎯

 

さて、ここからが本番です!

 

「攻めの法務」の本当の価値は、「YES」と回答するためのリスク低減策を考えることにあります。

 

ISO31022では、リスク対応の選択肢として5つ挙げられています:

❶ 活動を開始・継続しない

「やめてください」とお願いすること。でも、これだけじゃダメ😅

❷ 機会を追求するためにリスクを取る

実は「リスク」には上振れ(好ましい影響)と下振れ(好ましくない影響)の両方が含まれます!

❸ リスク源を除去する

例:秘密保持契約で「書面に限る」として、実際に書面で管理を徹底📝

❹ 起こりやすさや結果を変える

例:重要な情報を出さない、事業保険に入る🛡️

❺ リスクの保有

特に低減策を講じずにそのまま受け入れる

重要なのは、複数の選択肢を提案することです!

法務はビジネスジャッジの主体ではない⚖️

 

ここで大切な原則があります。

法務部が意思決定の主体になってはいけない

 

よくあるのが:

  • 「これで大丈夫ですね?」→「もちろんです!」
  • 「この名称で問題ないですよね?」→「いいと思いますよ」

 

これ、実は危険なんです⚠️

 

なぜなら、意思決定を行うのは事業部だから。法務部は意思決定を「支援」する立場であって、自ら決定する立場ではありません。

正しいコミュニケーション例

 

✅ 「リスク低減策A・B・Cを提案します。Aは必須、Bを併用すれば効果的です。Cは強力ですが、競合他社の事例は見つかっていません。○○さんは事業部としてどうお考えですか?」

 

✅ 「法務の立場では、リスクマトリクスで説明した通りです。仮に事業部の立場で考えるなら、個人的には○○だと思います。○○さんはどうお考えですか?」

NO心理的安全性、NO攻めの法務🤝

 

最後に、超重要なポイントです!

 

心理的安全性なくして、攻めの法務は実現しません。

 

想像してみてください:

  • 新しいことを取り入れると孤立する法務部
  • 失敗すると「前例に沿わないから」と叱責される環境
  • 法務部長の顔色をうかがうメンバーたち

 

こんな環境で、リスクテイクできますか?😰

 

心理的安全性とは、対人関係のリスクを恐れることなく、安心して率直に意見を述べられる状態のことです。

 

まとめ:第一歩を踏み出そう🌟

 

 

攻めの法務を実現するための第一歩:

  1. 「リスクがあります(完)」を卒業する📚
  2. リスクを2軸で分析する(5×5マトリクス)📊
  3. リスク低減策を複数提案する💡
  4. ビジネスジャッジと法的助言を区別する⚖️
  5. 心理的安全性を確保する🤝

 

「Grow or Die(成長か死か)」

 

この助言1つに、クライアントの成長がかかっている。そんなプロフェッショナルなマインドセットを持ちましょう🔥

 

法務部の皆さん、一緒に案件を前に転がしていきましょう!✨